フランキンセンス(Frankincence)は別名オリバナム、「frank(真正の、自然の)」と「incense(香り)」からできた名前で、和名は「乳香」、世界で最も歴史ある薫香のひとつです。フランキンセンスの歴史は、香料の中でも最も古く、紀元前4000年前には既に使われていたようです。香り高い樹脂を焚いて立ち上る煙は、人々の願いを届けるとして神に捧げられてきました。今日でも、教会など宗教儀式でフランキンセンスが焚かれています。
また 旧約聖書にも度々登場します。キリスト誕生の時、東方の三賢者がフランキンセンス・ミルラ・黄金を贈り、 その中でイエス・キリストが手にしたのがフランキンセンスだったというのは有名な話しです。フランキンセンスが神、ミルラが救世主、黄金が王位をそれぞれ象徴しているとも言われています。
フランキンセンスは、ソマリアやエチオピア、レバノンなど植物の生育には適さない非常に暑く乾燥した場所に育つ植物です。精油はカンラン科の樹木の樹脂から水蒸気蒸留法で抽出されます。その香りはウッディかつスパイシーで、わずかに甘みや酸味を含んだ豊かな広がりを持つ印象的な香りは、不安にとりつかれた心を落ち着け、呼吸をやわらげ、心身をやさしく浄化してくれます。
古代エジプトでは肌トラブルや、また心を穏やかにし眠りを誘うために用いられた香り「キフィ」にも使われていました。フランキンセンスの香りは、ストレスなどで浅くなりがちな呼吸を、肺の奥まで新鮮な空気が行き届く深い呼吸へと変え、心を落ちつかせ、瞑想状態へと導く助けとなります。
フランキンセンスはゴムのように木の幹に傷をつけ、でてくる樹脂を水蒸気蒸留して抽出します。 まず木からは乳白色の液体がでてきて、それが空気に触れ黄色い涙のような形になります。樹脂は木が傷つけられたときに木からにじみでてきますが、外部から菌や虫のなどが入るのを防ぎ、傷口を早く閉じるために分泌されています。木にとって、精油は自らを保護するための重要な成分なのです。
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学 名:
Boswellia carteri
英 名: Frankincense
科 名: カンラン科
抽出部分: 樹脂
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主産地: エチオピア、イラン、レバノン、ソマリア
主成分: モノテルペン炭化水素類(α-ピネン、リモネンなど)
香りのタイプ: 樹脂系
香りの特徴: やや柑橘系の爽やかさに、僅かな甘みを帯びたバルサム調の透明感のある香り
ノート: トップ〜ミドル
主な作用: 強壮作用、収れん作用、鎮静作用、癒傷作用
主な適用: 不安やイライラ、免疫力の低下、スキンケア
Blending Notes
精油は単品(一種類)でも楽しめますが、数種類をブレンドすることによって、お好みの香りを作ることが出来ますし、より高い効能が期待できます。
どの精油をどのような比率でブレンドすると良い香りが出来上がるか、どうぞご自身でいろいろ試してみて下さい。
精油をブレンドする場合、まずは3種類のノートから一つずつ選ぶことからはじめてみては、いかがでしょうか?(慣れてきますと、香りや目的に合わせて、自由自在にブレンドできるようなります)ノートとは、精油の香りの揮発速度のことです。精油は種類によって成分が異なるため、空気に触れてから香り始めるまでの速さがそれぞれ違います。
ノートは
「トップ」「ミドル」「ベース」の3種類に分類されます。
「トップ」は、揮発性が高くすぐ香りがしますが、香りの持続時間はとても短いです(柑橘系など)
「ミドル」は、「トップ」のあとに広がります。(フローラル系、ハーブ系など)
「ベース」は、他のノートが消えた後も、香りが持続します。(エキゾチック系、樹脂系など)
なお作用を重視する場合は、あまりノートを気にする必要はありません。
フランキンセンスと相性の良い精油:
「トップ」
オレンジスイート、
ベルガモットFCF、
レモンなど
「ミドル」
カモミールローマンなど
※注意・禁忌※
・妊娠初期から中期にかけてのご使用は控えて下さい。
♪アロマテラピーは医療行為ではありません。身体に何らかの異常がある場合は、必ず医療機関を受診して下さい。また、精油の注意事項を守って正しくご使用下さいますようお願い申し上げます。妊娠中、慢性的な病気の方など、身体の健康状態が気になる方は、医師や薬剤師などの専門家に相談の上、ご使用下さい。なお、ご不明な点などございましたら、京都かほ里までお問い合わせ下さい。