ラベンダーは、地中海西部の森林の豊かな地域が原産のシソ科の多年草で、数千年に渡り最も愛されてきた芳香性ハーブです。すがすがしい香りと可憐な花で「ハーブの女王」とも呼ばれ、栽培品種は100種類を超えると言われています。
ラベンダーは"洗う"という意味のラテン語"Lavare"(ラワーレ)が名前の由来となっていますが、これは古代ローマ人が浴槽に入れて沐浴したり、傷を癒すことに利用したことから呼ばれているようです。
ラベンダーはヨーロッパやアフリカ、アメリカに広く分布し、花色は白、淡紫から濃紫までと幅広く草姿は形や高さも様々です。主に栽培されている品種に、イングリッシュラベンダー(真正ラベンダー)、フレンチラベンダー(ストエカス)、スパイクラベンダー、ラバンディンなどがあり、それぞれ特有の性質を持っています。
蒸留して得られたラベンダーの精油は香料や香水の材料にもなりますが、アロマテラピーにおいて頻繁に使われ、用途が広く作用が穏やかでお子様にも安心して使用できる優れた精油です。
なかでも真正ラベンダーは、特に自律神経系機能の調整や回復に高い効果を発揮することが多くのデータで明らかになっています。精油の主成分は酢酸リナリルを中心とするエステル類とリナロールなどのモノテルペンアルコール類ですので、緊張やストレス、不安感をやわらげる鎮静・鎮痙作用があります。
しかし、真正ラベンダーの精油には、このほか300種類以上の芳香成分が存在するため作用・用途が多く「万能精油」「緊急時に使うレスキューアロマ」と呼ばれています。このメカニズムは、大脳辺縁系を介しての自律神経系への芳香効果と、平滑筋に対する神経伝達物質の関与による直接的な効果の複合作用と考えられています。
☆
学 名:
Lavendula angustifolia
英 名: English Lavender
科 名: シソ科
抽出部分: 花のついた先端部分
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主産地: フランス、イギリス、ブルガリア、オーストラリア
主成分: エステル類、モノテルペンアルコール類
香りのタイプ: ハーブ系
香りの特徴: フローラルで、フレッシュな甘さのウッディ系の香り
ノート: トップ〜ミドル
主な作用:鎮静作用、自律神経調整、抗炎症作用、瘢痕形成、筋肉弛緩
主な適用:不安や緊張、不眠、自律神経のアンバランス、やけど、筋肉痛
Blending Notes
精油は単品(一種類)でも楽しめますが、数種類をブレンドすることによって、お好みの香りを作ることが出来ますし、より高い効能が期待できます。
どの精油をどのような比率でブレンドすると良い香りが出来上がるか、どうぞご自身でいろいろ試してみて下さい。
精油をブレンドする場合、まずは3種類のノートから一つずつ選ぶことからはじめてみては、いかがでしょうか?(慣れてきますと、香りや目的に合わせて、自由自在にブレンドできるようなります)ノートとは、精油の香りの揮発速度のことです。精油は種類によって成分が異なるため、空気に触れてから香り始めるまでの速さがそれぞれ違います。
ノートは
「トップ」「ミドル」「ベース」の3種類に分類されます。
「トップ」は、揮発性が高くすぐ香りがしますが、香りの持続時間はとても短いです(柑橘系など)
「ミドル」は、「トップ」のあとに広がります。(フローラル系、ハーブ系など)
「ベース」は、他のノートが消えた後も、香りが持続します。(エキゾチック系、樹脂系など)
なお作用を重視する場合は、あまりノートを気にする必要はありません。
ラベンダーと相性の良い精油:
「トップ」
ベルガモットFCF、
オレンジスイートなど
「ベース」
フランキンセンス、
シダーウッドアトラスなど
※注意・禁忌※
・妊娠初期から中期のご使用は控えて下さい。
・車の運転前のご使用は控えて下さい。
♪アロマテラピーは医療行為ではありません。身体に何らかの異常がある場合は、必ず医療機関を受診して下さい。また、精油の注意事項を守って正しくご使用下さいますようお願い申し上げます。妊娠中、慢性的な病気の方など、身体の健康状態が気になる方は、医師や薬剤師などの専門家に相談の上、ご使用下さい。なお、ご不明な点などございましたら、京都かほ里までお問い合わせ下さい。