生姜(ジンジャー)の原産地はインド南西部、特に南アジアの熱帯周辺で、紀元前より古代インド(アーユルヴェーダ医学)や中国では薬用植物として利用していたという記録が数多く残されています。
紀元前1世紀頃には、アラビア商人によって生姜(ジンジャー)は地中海地域に伝えられ、ギリシャやローマ帝国でも知られるようになります。特に有名なギリシャの医師ディオスコリデスは、著書『薬物誌』で生姜(ジンジャー)の薬効について詳しく記述しています。
中世になると、生姜(ジンジャー)はコショウやクローブ、シナモンなどと並ぶ重要なスパイスとして、「スパイスロード」を通じてヨーロッパに大量に運ばれるようになりました。アラビア商人がその交易を独占し、「金の重さに匹敵する」とまで言われるほど高価な商品として取引されました。
大航海時代、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、生姜(ジンジャー)も持ち込まれたとされています。スペイン人によってカリブ海地域(特にジャマイカ)に運ばれ、そこで栽培が始まり、ジャマイカは現在でも世界有数の生姜(ジンジャー)の産地として知られています。
日本には、中国から仏教とともに薬用植物として伝わったとされています。奈良時代にはすでに栽培されていたと見られ、『万葉集』にも生姜(ジンジャー)らしき植物を詠んだ歌があると言われています。
生姜(ジンジャー)の歴史は、まさに人類の移動と交易、そして医学と食文化の発展の歴史と密接に結びついています。生姜(ジンジャー)の小さな根茎には、数千年にわたる豊かな物語が凝集され、今でも世界中の人々に愛され続けています。
和精油:生姜(ジンジャー)
学 名:
Zingiber officinale
科 名: ショウガ科 ショウガ属
抽出部分: 根茎 (精油濃度0.25~2%)
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主産地: 国産(高知県)
主成分: セスキテルペン類(ジンギベレンなど)
香りのタイプ: スパイス系
香りの特徴: 温かくスパイシー&柑橘系の爽やかな香り
ノート: ミドル
※ 注意・禁忌 ※
・ 妊娠中の使用はお控えください。
・ 高濃度や沐浴でのご使用で、肌を刺激することがあります。
・ マッサージオイルは1%~1.5%未満の濃度でご使用ください。
生姜(ジンジャー)と相性の良い精油:
「トップ」:柑橘系
「ミドル」:フランキンセンス、ゼラニウム
「ベース」:イランイラン
(^^♪
生姜(ジンジャー)は、その温かくスパイシーな香りと多様なチカラにより、特に冷え性や消化器系の不調、湿気を抱え込みやすい方におすすめの精油です。正しい知識と注意点を守りながら、アロマテラピーをどうぞお楽しみください。
♪アロマテラピーは医療行為ではありません。身体に何らかの異常がある場合は、必ず医療機関を受診して下さい。また、精油の注意事項を守って正しくご使用下さいますようお願い申し上げます。妊娠中、慢性的な病気の方など、身体の健康状態が気になる方は、医師や薬剤師などの専門家に相談の上、ご使用下さい。なお、ご不明な点などございましたら、京都かほ里までお問い合わせ下さい。