カモミールローマンの原産地は主に西ヨーロッパから北アフリカにかけての地域とされ、ブルガリアやフランスなど地中海沿岸地域やイギリスが主産地です。
5月〜6月頃、黄色い花芯を持つ可愛らしい花を咲かせます。カモミールジャーマンとよく似ていますが、カモミールローマンの花芯はジャーマンカモミールほど高く盛り上がりません。また、カモミールローマンの草丈は通常10〜40cm程度と比較的低く、茎は地面を這うように横に広がる「匍匐性(ほふくせい)」という性質を持っていることから、グラウンドカバーとしても利用されています。
古代エジプトにおいて、カモミールローマンは花全体が丸く、白い舌状花が放射状に広がる姿が太陽を思わせるため、太陽神ラーに捧げられる「聖なる花」として崇拝されていました。
古代ギリシャの「医学の父」と称されるヒポクラテスは、カモミールローマンを解熱剤として使用し、また古代ローマの戦士たちは、戦いの疲れや士気を鼓舞するためにマッサージ用オイルとしてカモミールローマンを用いたとも言われています。
中世ヨーロッパの修道院の庭では様々なハーブが栽培されました。カモミールローマンも重要な薬草の一つとして、修道院の薬草園で広く育てられました。ここでは健胃・発汗・消炎作用があるとして、感染症や皮膚病、婦人病の治療に用いられました。
またカモミールローマンは、病気にかかり弱っている植物の近くに植えるとその植物は回復し元気になると信じられ、「植物の医者 (Plant's Physician)」という異名を持つようになりました。これは、カモミールローマンが土壌を改善したり、特定の植物の生育を助ける「コンパニオンプランツ」としての効果が信じられていたためとも言われます。
カモミールローマンはその長い歴史を通じて、人々の心身の癒しや健康維持、さらには宗教的儀式や日常生活の様々な場面で活用されてきた非常に興味深い植物であることが分かります。その穏やかながらも確かなチカラは、アロマテラピーの世界で高く評価され続けています。
カモミールローマン
学 名:
Chamaemelum nobile
科 名: キク科 カマエメルム属
抽出部分: 花(開花した花冠)
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主産地: ブルガリア、フランス、イギリス
主成分: エステル類 (アンゲリカ酸イソブチル等)
香りのタイプ: フローラル系
香りの特徴: 甘くフルーティーで優しい香り
ノート: ミドル
※ 注意・禁忌 ※
・ 妊娠中の使用はお控えください。
・ アトピー性皮膚炎や敏感肌の方は、事前にパッチテストを行うことをおすすめします
・ キク科アレルギーの方の使用はお控えください。
カモミールローマンと相性の良い精油:
「トップ」:柑橘系
「ミドル」:フランキンセンス、ラベンダー
「ベース」:サンダルウッド、シダーウッド
(^^♪ カモミールローマンは、その優れたチカラから、ストレス社会を生きる現代人にとって、心身の癒しと安らぎをもたらす非常に心強い味方の精油の1つです。リンゴのような甘い香りと、心身を穏やかに鎮める作用で古くから人々に寄り添ってきたカモミールローマン、その可愛らしい姿と香りは、植物を眺めているだけでも癒されます。正しい知識と注意点を守りながら、アロマテラピーをどうぞお楽しみください。
♪アロマテラピーは医療行為ではありません。身体に何らかの異常がある場合は、必ず医療機関を受診して下さい。また、精油の注意事項を守って正しくご使用下さいますようお願い申し上げます。妊娠中、慢性的な病気の方など、身体の健康状態が気になる方は、医師や薬剤師などの専門家に相談の上、ご使用下さい。なお、ご不明な点などございましたら、京都かほ里までお問い合わせ下さい。