ティートリーは、アロマテラピーの分野でラベンダーと並んで最もよく使用される精油の一つです。オーストラリアに入植したイギリス人たちは、原住民たちがティートリーを利用しているのを見て、すばらしい殺菌消毒特性があることを知り、医薬品が入手できないときには、この葉を役立てていました。
1920年代、オーストラリアの化学者により本格的に研究が行われ、当時の消毒薬の数十倍も強い事が報告されたことから、世界中に普及しました。
ティートリーはオーストラリア原産、樹高は最大で6〜7m程になります。オーストラリア先住民のアボリジニが、この木の葉をお茶にしていたことからこの名が付いていますが、ツバキ科の「茶(tea)の木」とはまったくの別物です。ティートリーは通常tea-treeと綴りますが、本来はTi-treeのようです。(「Ti」はアボリジニの言語です)
葉から抽出される精油の香りはとてもシャープで鋭く、若葉を想像させるフレッシュさに満ち溢れています。
ティートリーは強力な抗菌・抗真菌作用・抗ウィルス作用を発揮しますが、皮膚や粘膜に対しては刺激が少なく、とても使いやすい精油です。石けんやシャンプー、歯磨きペーストなどにもよく利用されています。
野生のティートリーは湿地を好み、多くはオーストラリア大陸の東海岸、ニューサウスウエールズ州からクイーンズランド南部を中心とした川沿いに自生しています。湿地帯とはいっても、真夏は地割れがするほど乾燥する苛酷な自然環境で生育しています。この地域で生産されるティートリーから作られるオイルが、現在のところ最高品質とされています。100kgのティートリーの葉、枝から約1kgの精油が抽出されます。
ティートリーの葉は鳥の羽毛状で細長く、黄色から薄紫色の花を咲かせます。 強い香りを持っていて、離れたところにいても風にのせてその香りが漂ってくるほどです。同じフトモモ科のユーカリと同様、非常に生命力が強い木です。
ユーカリは19世紀後半からヨーロッパでも栽培されていますが、ティートリーは現在でもオーストラリア以外の地域では生育が難しいようです。そのためティートリーの精油は、ほとんど全てがオーストラリア産となっています。
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学 名:
Melaleuca alternifolia
英 名: Tea tree
科 名: フトモモ科コバノブラシノキ属
抽出部分: 葉
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主産地: オーストラリア
主成分: モノテルペンアルコール類(テルピネン-4-オール)
香りのタイプ: 樹木系
香りの特徴: フレッシュで鋭い香り
ノート: トップ
主な作用:消毒・殺菌作用、抗真菌・抗ウィルス作用、免疫賦活作用
主な適用:感染症予防、さまざまな皮膚のトラブル、消臭芳香剤
Blending Notes
精油は単品(一種類)でも楽しめますが、数種類をブレンドすることによって、お好みの香りを作ることが出来ますし、より高い効能が期待できます。
どの精油をどのような比率でブレンドすると良い香りが出来上がるか、どうぞご自身でいろいろ試してみて下さい。
精油をブレンドする場合、まずは3種類のノートから一つずつ選ぶことからはじめてみては、いかがでしょうか?(慣れてきますと、香りや目的に合わせて、自由自在にブレンドできるようなります)ノートとは、精油の香りの揮発速度のことです。精油は種類によって成分が異なるため、空気に触れてから香り始めるまでの速さがそれぞれ違います。
ノートは
「トップ」「ミドル」「ベース」の3種類に分類されます。
「トップ」は、揮発性が高くすぐ香りがしますが、香りの持続時間はとても短いです(柑橘系など)
「ミドル」は、「トップ」のあとに広がります。(フローラル系、ハーブ系など)
「ベース」は、他のノートが消えた後も、香りが持続します。(エキゾチック系、樹脂系など)
なお作用を重視する場合は、あまりノートを気にする必要はありません。
ティートリーと相性の良い精油:
「ミドル」
ローズマリー、
ゼラニウム、
パルマローザなど
「ベース」・・・ティートリーは、ベースの香りとあまり調和しません。
ティートリーは、「トップ」の
レモンや
ユーカリグループと良く調和します。
※注意・禁忌※
・妊娠初期から中期にかけてのご使用は控えて下さい。
・敏感肌の方は刺激を感じることもありますので、
使用濃度にご注意下さい。
♪アロマテラピーは医療行為ではありません。身体に何らかの異常がある場合は、必ず医療機関を受診して下さい。また、精油の注意事項を守って正しくご使用下さいますようお願い申し上げます。妊娠中、慢性的な病気の方など、身体の健康状態が気になる方は、医師や薬剤師などの専門家に相談の上、ご使用下さい。なお、ご不明な点などございましたら、京都かほ里までお問い合わせ下さい。